現実的なお守りを、バッグに入れて

ロリィタで出かける日に、持っていると安心するものは何だろう。

そう考えたとき、私が最初に思い浮かべたのは、かわいいお守りのようなものではありませんでした。
もっと現実的で、もっと生活に近いもの。

私にとって「あると安心するもの」は、言い換えると「ないと少し不安になるもの」です。

まず思い浮かぶのは、薬です。

私はあまり体力があるほうではなくて、光や音、匂いなどの刺激で疲れやすいところがあります。
その影響もあって、外に出ると頭が痛くなりやすい日があります。

頭痛が出ると、その日の予定を続けるのが難しくなることもあります。
せっかく好きな装いで出かけて、楽しみにしていた時間を過ごしているのに、
途中でつらくなってしまうのは、やっぱり少し悲しい。

もちろん、無理をしないことは大切です。
早めに帰るという選択も、必要なときにはちゃんと選びたい。

でも、すぐに諦めたいわけでもないんです。

だから私は、自分に必要な薬を持っていると安心します。
外出先ですぐに手に入るものではないからこそ、バッグに入っているだけで「大丈夫」と思える。
無理をするためではなく、好きな時間をなるべく心地よく過ごすための準備です。

これは、誰にでも同じ持ち物をおすすめしたいという話ではありません。
私の場合は、こういうものがあると少し安心して外に出やすくなる、というだけの話です。

それから、マスクとイヤホンも、私にとっては大切です。

行きと帰りのひとりの時間。
マスクをして、イヤホンをつけると、外の世界との距離を少しだけ取れる気がします。

深く考えて使っていたわけではないのですが、今思うと、かなり理にかなっていたのかもしれません。
マスクは匂いを少しやわらげてくれる。
イヤホンは音を少し遠ざけてくれる。

外に出ると、思っている以上にいろいろな刺激を受けています。
人の声、電車の音、街の匂い、照明、風、視線。
その全部を真正面から受け止め続けていると、知らないうちに疲れてしまうことがあります。

だから、マスクとイヤホンは、私にとって外界を少しやわらげてくれるものです。
誰かと会う前の自分を整えるためにも。
楽しい時間を過ごしたあとの自分を、ゆっくり帰り道へ戻すためにも。

そして、お昼前後に出かけるなら、日傘もかなり大事です。

夕方くらいなら持っていかないこともありますが、太陽が高い時間に外を歩くなら、できれば日傘をさしたい。
日焼け予防という意味もあります。
でもそれだけではなくて、強い光を少しやわらげたい、という理由もあります。

日差しが強い日は、目から入る光だけでも思っているより疲れることがあります。
だから日傘は、見た目や美容のためだけではなく、私が気持ちよく外を歩くための道具でもあります。

こうして考えてみると、私が「あると安心する」と思うものは、どれも自分を守るためのものなのかもしれません。

薬。
マスク。
イヤホン。
日傘。

どれも、ときめきのための小道具というより、私が私の体を扱いやすくするための道具です。
少しでも疲れにくくするために。
頭痛が出そうなときに対処できるように。
刺激を少し減らして、帰り道までちゃんと過ごせるように。

正直、もっとかわいい話ができたらよかったな、と思う気持ちもあります。
「これを持っているとお守りみたいに心が落ち着くんです」みたいな、やわらかくて素敵な話ができたらよかったのに、と。

でも、これが私なんですよね。

ロリィタで出かける日だって、体調のことはついてきます。
好きな服を着ていても、疲れるものは疲れる。
刺激が多い日はあるし、途中で休みたくなることもある。

それでも、私は出かけたい。
好きな装いで、好きな人に会って、好きな時間を過ごしたい。

だから、その時間を少しでも長く、心地よく楽しむために、自分を守るものを持っていきます。

それは、夢のある話ではないのかもしれません。
でも、私にとってはとても大切な準備です。

ロリィタは、かわいいだけで外に出られる装いではないと思っています。
少なくとも私は、かわいいだけでは一日を過ごしきれないことがあります。

だからこそ、ちゃんと現実的な準備をしておきたい。

薬を入れる。
マスクを持つ。
イヤホンを忘れない。
必要なら日傘も持っていく。

そうやって、自分の体を守る準備をすることは、好きな時間を諦めないための工夫でもあります。

無理をするためではなくて、楽しむために。
我慢するためではなくて、安心して過ごすために。

私のおでかけセットは、もしかしたら少し現実的すぎるのかもしれません。
でも、その現実的な持ち物たちがあるから、私は少し安心して外に出られます。

ときめきの日にも、身を守る準備をしていい。

そう思えるだけで、ロリィタで出かける日のハードルは、少しだけ低くなる気がします。

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