何かを名乗ることって、少し怖いです。
たとえば「ファンです」とか「オタクです」とか。
そういう言葉を、自分に使うことにためらいがあります。
本当のファンに失礼なんじゃないか。
本当のオタクと呼ばれる人たちに比べたら、私はそこまでではないんじゃないか。
語源や意味を考えれば考えるほど、私が名乗るのは烏滸がましい気がしてしまう。
だから私は、よく「好き」という言葉を使います。
「ファンです」ではなく、「好きです」。
「オタクです」ではなく、「好きです」。
それなら、少しだけ呼吸がしやすいんです。
好きかどうかは、私の中にある事実だから。
どれくらい好きか、どれくらい詳しいか、どれくらい追っているかは、比べようと思えば比べられてしまうかもしれません。
でも、好きだと思ったこと自体は、私のものです。
「こうじゃないとファンを名乗ってはいけない」
「これくらい知らないとオタクとは言えない」
そういう見えない縛りから、少しだけ自由になれる気がします。
そしてこれは、ロリィタにも当てはまるのかもしれません。
「私はロリィタです」と言うことには、まだどこかでためらいがあります。
完璧なロリィタじゃないと名乗れないんじゃないか。
もっと詳しくなってからじゃないといけないんじゃないか。
もっとたくさん着て、もっとちゃんと知って、もっと堂々としてからじゃないと、言ってはいけないんじゃないか。
そんなふうに、勝手に自分の中で審査を始めてしまうんです。
でも、それはたぶん、周りの目だけの問題ではありません。
私の場合は、自分に許可を出せるかどうかの話なのだと思います。
「私程度でロリィタを名乗っていいのか」
そうやって、うじうじ考えてしまう。
でも、そこまで無理に背伸びしなくてもいいのかも。
いっそのこと、まずはこう言えばいい。
私は、ロリィタが好きです。
それは事実だから。
ロリィタかどうか。
名乗っていいか。
ふさわしいか。
そういう問いにすぐ答えを出せなくても、好きだという気持ちは、ちゃんとここにある。
「私はロリィタです」と言えなくても、
「私はロリィタが好きです」と言えるなら、そこから始めてもいいのだと思います。
名乗ることに怯えて、好きまで手放してしまうくらいなら。
まずは、好きだと言える場所に立っていたい。
それだけでも、十分に大切な一歩なのだと思います。


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