ロリィタの装いに慣れてきた頃、もうひとつ小さな“革命”が起きた。
――「推しを纏えるようになった」こと。
昔の私は、推しのグッズを身につけて外へ出るなんて考えられなかった。
Tシャツでもバッグでもキャップでも、
“好きなもの”は部屋で眺めるだけのもので、
外で堂々と使うなんて、なんだか恥ずかしい気がしていた。
でも、ロリィタを始めてから、少しずつその抵抗が薄れていったんだよね。
ロリィタは、自分の“好き”そのもの。
その好きな装いを身に纏って歩くようになって、
「好きって、こんなに素敵なんだ」と実感できたら、
別の“好き”を纏うことにも怖さが減っていった。
ある日、飾っておいたグッズを思わず手に取った。
「…これ、外でも使ってみたいかも」
そう思えた時点で、もうひとつの扉が開いていた。
推しのTシャツで出かけるとき、
ちょっと背筋が伸びる。
キャップやバッグを身につけると、
鏡に映る自分が少し嬉しそうに見える。
“推しを纏う私”も、
“ロリィタの私”も、
ぜんぶ自分なんだと思えるようになった。
好きなものを好きと言えるようになって、
その好きなものを堂々と身につけられるようになって、
ようやく私は、自分の心に素直に生きられるようになってきた。
推しを纏うって、ただの自己主張じゃない。
心を軽くしてくれる魔法みたいなものなんだよね。
「今日も大好きな人と一緒に歩いてるんだ」って思えるだけで、
世界の見え方がやわらかくなる。
いまの私は、
“好きだから纏う”
そのシンプルな気持ちを大切にして生きている。


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