「ときめき」と「現実」のあいだで

「ロリィタになる」と決めたとき、実はそれだけじゃ足りなかった。
私の“はじめて”は、2つある。

1つ目は、お洋服をお迎えして、家の中でそっと袖を通した日。
2つ目は、その姿で初めて外に出た日。

初めて袖を通したとき、胸が高鳴った。
でも鏡に映った自分を見て、すぐに違和感が湧いてきた。
「理想としていた私」と、「そこに立っている私」が、違う。
まるで服に着られているようで、ぎこちなかった。

だから、いきなり外には出られなかった。
お化粧を練習して、髪型を試して、少しずつ慣れていった。
自分の中にある「ときめき」を信じて。

少しずつ、「ロリィタ姿の私」が「私」に馴染んでくる。
そして、「ときめき」のほうが勝ってくる。

ちょうどそのとき、私にロリィタになる一歩を踏み出させてくれた、
大好きなインフルエンサーさんのバースデーイベントの告知が目に入った。
「この日しかない」と思った。

大切で大好きな人のお祝いの席に、「はじめて」を捧げる。
それが、私のデビュタントだった。

会場に着くまで、足が震えた。
でも私は、背筋を伸ばして歩いた。
「私はかわいい」って、心の中で繰り返しながら。

そして気づいたの。
「ロリィタになる」って、ただ服を着ることじゃない。
自分の“ときめき”に責任を持つこと。
「好き」を選んだ自分を信じて歩くこと。

あの日、私はロリィタとして、一歩を踏み出した。
それはきっと、私自身の新しい一歩でもあったんだと思う。

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