ロリィタについて知らない人に何か聞かれたとき、どう説明するだろうと考えていました。
けれど正直なところ、私はあまり「聞かれて困ること」が思いつきませんでした。
というのも、そもそも私は、ロリィタを受け入れられそうな人にしか見せない装いとして扱っているところがあります。
誰にでも分かってほしい、誰にでも好きになってほしい、とは思っていません。
私には私の価値観があって、相手には相手の価値観がある。
「私はこう思うけれど、あなたはそう思うんだね」
それでいいのだと思っています。
もちろん、誤解は普通に解きます。
たとえば「コスプレなの?」と聞かれたら、私は説明します。
キャラクターになりきるものではなくて、私のまま着ている、私の私服だから。
そこを曖昧に流してしまうと、ほかのロリィタさんにも、コスプレイヤーさんにも、失礼になってしまう気がするんです。
でも、「高そうだね」と言われたら、それはその人の価値観の話だと思います。
高いと思うか、相応だと思うか。
そこにどんな価値を見出すかは、人によって違って当然です。
「そうだね、高いけど、とても素敵でお気に入りなの」
私なら、そんなふうに返すと思います。
この装いが苦手な人もいる。
目立つと感じる人もいる。
パニエで膨らんだスカートが場所を取ってしまう場面もある。
もし実際に迷惑をかけていたら、「すみません」と言って移動したり、スカートを抑えたりして対処します。
そこは、装いの自由とは別の話です。
好きな服を着ているからこそ、周りへの配慮はちゃんと持っていたいと思っています。
けれど、価値観そのものを否定されるなら、少し話は変わってきます。
価値観は人それぞれ。
それを分かっている人なら、私はたぶん大丈夫です。
好きかどうかが違っても、理解の深さが違っても、同じ場所にいられると思います。
でも、「自分の正義が、誰にとっても絶対に正しい」と思っている人とは、少し距離を置いたほうがいい。
それは、自分を守るために必要なことだと思います。
ロリィタは、きっとマイノリティな装いです。
でも、マイノリティだから大切にしなきゃいけない、というのも少し違う気がします。
反対に、マイノリティだからマジョリティの服装に合わせるべき、というのも違う。
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているわけではない。
ただ、違うものが同じ場所にあるだけ。
だから、共存できたらいいのだと思います。
私はこの装いが好き。
あなたはそうではないかもしれない。
それでも、お互いに自分の価値観を押しつけずにいられるなら、それで十分です。
分かり合えないことは、必ずしも悲しいことではありません。
でも、分かり合えないからといって、相手を正そうとすることは、少し苦しい。
だから私は、説明できる誤解は説明したい。
でも、価値観そのものまで無理に合わせにいくつもりはありません。
私の価値観。
あなたの価値観。
そのあいだに、ちゃんと距離があっていい。
その距離を保ったまま、同じ場所で過ごせるなら、それがいちばん穏やかな形なのかもしれません。


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