これが変身前の姿なの

ロリィタをはじめた私は「変わった」のだろうか?
いや——私は“変わった”んじゃなくて、“戻った”んだと思う。

昔の私は、「普通」でいようと努力していた。
雑誌に載っている流行のコーディネートを真似したり、みんなと同じような装いを選んだり。
好きでもないのに、嫌いでもない服を、ただ“浮かないため”だけに選んでいた。

今振り返ると、本当に頑張ってたんだと思う。
正解のない世界の中で、「これなら大丈夫かな」「おかしく見えないかな」って探りながら歩いていた。
でも、どれだけ頑張っても心がときめくことはなかった。

そんな私がロリィタに出会ったとき——
世界が一気に開けた。

ロリィタに対して「変身願望」の話が出てくることがあるけど、私は逆なんだよね。
私は“変身”したかったんじゃない。
むしろ“変身を解除”したかった。
長いあいだ身につけていた殻やフィルターを、解きたかったんだ。

ロリィタになってみてわかったのは、
「これこそ本当の私だったんだ」
という、静かだけど確かな実感。

弱いところも、情けないところも、揺らぐところも、全部ある。
でも、それでいい。
そのままでも“好き”を纏った私は素敵で、胸を張れる。

もちろん、怖さがなくなるわけじゃない。
近しい人にしかロリィタを明かせないのは、ロリィタが恥ずかしいからじゃなくて、
好きなものを好きと言うことを否定されるのが怖いから

だから私は、人を見るときのひとつの基準がある。
会話する時に、勢いだけで話さない人。
言葉を口にする前に「これを言ったらどう伝わるかな」と考えられる人。

そういう人は、自分の好みと違うものでも大切にしてくれる。
私が誰かの“好き”を尊重するように、
その人も私の“好き”を尊重してくれる気がするから。

私は変わったわけじゃない。

これまで閉じていた視界がクリアになって、
その延長線上にロリィタの私がいるだけ。

私は私のまま。
でもその「私」は、好きという力で少しずつ、ちゃんと輝くようになった。

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